青森県警察による高齢ドライバー運転支援の取組
青森県警察では、高齢ドライバーによる交通事故防止のため、有識者監修による実車を使用した運転診断や意識調査を実施・結果分析し、効果的な高齢ドライバーへの交通安全教育に関する提言を受けました。さらに平成27年度には平成26年度の提言を基とし、具体的な交通安全教育方策を探るために有識者監修による調査研究を実施し
『高齢運転者対象 交通安全教育方策に関する提言』
を受け、同提言を基とした高齢ドライバーに対する交通安全教育を行っていくこととしました。
平成27年度、平成26年度の提言についての詳細は、下記のリンク先からご覧ください
調査研究実施の流れ
○ 平成27年度の調査研究
高齢運転者に対する効果的な教育方法を探るため、多数の高齢運転者のかたに、実際に車を使用して教習所内を運転し、教習所指導員が普段の運転方法や安全確認方法などを確認する運転診断と診断結果に基づく個別指導を受けていただき、さらに運転診断後には各グループごとに教育方法を変えて講習などを行うことで複数の教育方法を調査し、その調査結果の分析を有識者へ依頼して提言を受けました。
平成27年度の安全教育による調査の流れ(チャート)(PDF:343KB)
○ 平成26年度の調査研究 青森県の高齢運転者の特性を調査するため、多数の高齢運転者のかたに運転診断と診断結果に基づく個別指導を受けていただき、さらに、交通安全意識等に関するアンケート調査行い、その調査結果の分析を高齢者の安全教育についての有識者に分析を依頼し、高齢運転者への交通安全教育についての提言を受けました。
運転診断の実施状況
教習所内で教習車を使い、普段通りの運転をしていただきました。
助手席には教習所の指導員が乗り、運転・安全確認方法等を確認して運転状況を診断します。


運転診断の結果から、普段の運転方法について振り返っていただき、指導員から今後の安全運転について個別に指導を行いました。

【監修】
東北工業大学 名誉教授
太田 博雄(おおた ひろお)氏
【専門分野】交通心理学・安全心理学
運転者が自らを客観視する能力(メタ認知能力)を培い、正しい自己理解へとつなげる「ミラーリング法(他者観察法)」、運転時に発生する心理的ストレスを自らコントロールする「感情コントロール」、教育者が教え込むのではなく、運転者に潜在する知識・経験・能力をを引き出すサポートを行い、安全な運転へとつなげる「コーチング技法を用いた教育」など運転者に対する教育を自ら実践する。
本県においても、2004年青森市における「一時停止・確認キャンペーン」へ参画、2014年「日本交通心理学会79回青森大会」大会準備委員長を務められる等、全国の自治体・企業等との共同研究・教育プログラム形成に多数携わる。
早期からヨーロッパにおける運転者教育プログラムを積極的に取り入れ、日本が抱える交通状況に合わせて独自のプログラムを構築、各地で運転者教育や運転者の心理面に関する講演等を多数行い、交通事故防止に尽力している
学歴
1970年:東北大学文学部卒業
1973年:東北大学文学研究科大学院修士課程修了
職歴・経歴
1973年 | 県立新潟女子短期大学助手 |
1977年 | 同校講師 |
1978年 | 東北工業大学講師 |
1984年 | 同大学助教授 |
1994~2014年 | 東北工業大学教授 |
1995年 | 博士号(大阪大学)、トゥルク大学(フィンランド)客員研究員、ワシントン大学客員研究員 |
1998~1999年 | トゥルク大学客員教授 |
2014年~現在 | 東北工業大学名誉教授 |
主な学会・委員会
【日本交通心理学会】 |
2009~2014年:副会長 |
【日本交通心理士会】 |
副会長 |
【所属学会】 |
日本交通心理学会・国際交通安全学会(IATSS) |